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作品はハードボイルド。しかし本人は釣りとゴルフと麻雀と酒とゲームを愛するちょっとおちゃめな作家・大沢在昌の著書を紹介します。
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天使の爪 (上) (カッパノベルス) |大沢 在昌
天使の爪 (上) (カッパノベルス)
大沢 在昌 光文社 刊 発売日 2005-06-22 オススメ度:★★★★ 「牙」には劣るが、楽しみにしていた作品 2007-01-03 藤沢周平と同じく、やはりこの年まで知らなかったなぁ、が、この大沢在昌です。いや、もちろん新宿鮫の名は知っていましたよ。でも何故だか手に取るつもりがなかった。 それがごく偶然に、ブックオフで、新宿鮫の3だっか、4だったかを手に取って、いやぁ、驚いた。 面白いやないか。これは。 非情で無頼だけど馳星周のやり切れなさとは違う。ハードボイルドと言えばそうだけど、北方謙三の様な、いかにもなカッコつけではなく。 東京と言う都会にいま住むことができて、はじめて伝わる臨場感が肌にしみる。 で、まぁ、一瞬にして新宿鮫シリーズの全てを読み終わって、困った時に出合ったのが、前作の「天使の牙」だったわけです。 でもって、てっきりあれでしまいかと思っていたらなんとなんと続編があると、教えられ、慌てて手に入れたのが、この「爪」でした。。。 なんで「爪」なんやろ。読み終わっても(ま、どうでもええけど)そのわけはわからんですが。 好みから言うと、前作かな。ミッションインポッシブル2で、あまりに変装が多用されてへきへきしたのとちょっとまぁ、似てて、ちょっと肝心な部分が安直かなぁ、と言う気がしないでもない。 とは言え、よかったです。 映画化されそうですね(前作の映画化はまずかったねぇ、キャスティングが)。 それも楽しみです。 安心して読める… 2005-08-17 「天使の牙」の続編。「天使の牙」は、間もなく映画公開予定である。前作ではコトの起こりである、脳移植による人格移植と、そこに至る原因となった事件の解決や、脳移植を行われた本人の精神的葛藤が描かれた大作で、この「天使の牙」はその後、主人公はどうなったのか? という読者の質問に答えるものである。 前作の事件から4年余りの時間が過ぎ、その間に主人公の脳移植手術を行った執刀医は行方不明となっていた。主人公の変身前からの恋人や、元の上司、現在の上司、と主人公の秘密を知らない周囲の人間達。難しい問題は山積で、何一つ解決することはできないように思えるが、任務の上で悲惨な目に合ったことも、主人公の職務意識には変化をもたらさない。先日読んだ「秋に墓標を」に比べると、前作でのハードボイルドぶりが記憶に新しいこともあって、安心して読むことができる。前作を読んでいない方は、是非そちらを読んでから取り組んでほしい。 激情の天使 2005-07-14 「天使の牙」の続編。当初は近未来SF的な気分で読んでいて、さらにサスペンスやアクションが絶妙に描かれたものだと思っていた。映画化され、まあそれなりに話題にもなった。「牙」ではラストが気持ちよく、続編を書いて欲しいとほのかに期待だけかけていたのだが、やはり続編「天使の爪」が産み出された。 脳移植をうけ外見が変わったアスカが仁王との関係に苦悩する。ハードアクションでありながらもそんなラブストーリーが随所に盛り込まれ全体のイメージをハードボイルドからソフトにしている。男女間の心の葛藤もまた読みどころ。「牙」読者にはアフターバーナーなんて言葉も織り込まれているのでさらに入りこみやすいかも。 メインとなってくるもうひとりの移植者「ヴォールク」。悲しい過去を背負いながらも、まさにソルジャーであり、武装警官をことごとく殺戮していく(ふがいないんだな、これが)。アスカとは共鳴していくという部分がまた性なのか宿命なのか。また警察とのやるとりは大沢氏の「新宿鮫」でも取り上げられるキャリアとノンキャリアの見えない確執。これがアスカの行動をはばむ原因のひとつで、新宿鮫と同じく体質への皮肉だ。全体としては新宿鮫は「静」、天使の爪は「動」のイメージ。読者層としてはそこが分かれ目かもしれないがどちらにせよ深い内容であることには違いない。ロシアにCIA警視庁に麻取と複雑、個人レベルではない関わり方が結構深いのだ。 下巻で暴走し始める「ヴォールク」の狂気。愛すべき主人公アスカ。さながらサスペンスアクションinラブストーリーの大沢作品は新宿鮫の鮫島に匹敵するシリーズ化必至のキャラクターを育てている。 さらに詳しい情報はコチラ≫ [PR]グーグル PR コメントを投稿する
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